花木図鑑|ひみつの花園 | 文旦 ボンタン
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花木図鑑

FLOWERS AND TREES

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文旦 ボンタン

  • 花が咲く
  • 香りがする
  • 果実がなる
  • 常緑樹
柑橘類の中では果実が最も大きくなり一目も引くので、観賞用としても親しまれている果樹です。日本へ渡来したのが、鹿児島県阿久根市といわれています。その昔、中国と長崎を往来するご朱印船が嵐にあって漂着した阿久根の港で、手厚くもてなされた事に感謝して、船長の謝文旦から贈られた果物であったことから、謝船長の名前にちなみ「ボンタン」・「シャボン」・「ザボン」等と呼ばれるようになったとされています。

 

<ボンタンアメの原料「文旦」とは?>

文旦(ボンタン)といえば、駄菓子の「ボンタンアメ」が思い浮かぶ人も多いのでは? ボンタンアメのパッケージを思い出してみてください。紺色の箱に黄色い柑橘系の果物。あの絵に描かれた果物が「文旦(ぼんたん)」です。ボンタンアメの箱には「南国特産」とも書かれているのですが、そのとおりで、文旦は九州、四国など温暖な地域の特産物として人気の果物です。ちなみに、ボンタンアメを作っているセイカ食品は鹿児島県鹿児島市の会社だそう。文旦の産地としては、鹿児島県の他にも、九州では熊本県や高知県がよく知られています。
また、文旦は庭木としても流通しています。実をつけるまでに3年から5年かかると言われていますが、環境が合えば、毎年文旦を収穫することも夢ではありません。

 

<ボンタン?ブンタン?その答えと由来のお話>

文旦=ボンタンとして書いてきましたが、「ブンタンじゃないの?」と感じた人もいるかもしれません。漢字をそのまま読めばブンタンですし、そう呼んでいる人もいることでしょう。
実は、文旦は、ボンタンでもブンタンでもどちらでも正解です。もともとブンタンと呼んでいたものが次第にボンタンに変化したと言われています。九州ではボンタンと呼ぶ人が多く、他の地域ではブンタンと呼ばれる傾向があるようです。
文旦という名前は、一人の中国人の名前からきています。江戸時代、鹿児島県阿久根市に漂着した中国の貿易船の船長・謝文旦さんがお世話になったお礼に地元の人に果物を贈ったことから、この果物に文旦という名前がつけられたということです。でも、文旦は中国ではなく台湾で手に入れた果物だったそうです。貿易船は広東省と長崎を行き来する船でしたが、台湾南部に立ち寄った際に入手しためずらしい果物がお礼の品とされたのです。今でも阿久根市では文旦が多く栽培されています。

 

<捨てないで!文旦の皮の利用法>

爽やかな香りで、グレープフルーツよりも酸味が少なく、上品な甘さが特徴の文旦。皮に厚みがあることから、収穫後も30〜40日ほども日持ちします。時間を置くと酸味が抜けていくので、味の変化も楽しむことができる果物です。
厚みのある皮は、砂糖漬けやジャムにすることもできます。苦味のある白い部分を残して調理することで、市販のお菓子にはない苦味がアクセントになった美味しさを出せるはずです。この苦味の元は、文旦の皮に含まれるポリフェノールの一種、ナリンギンという成分。ナリンギンには「抗酸化作用」「アレルギー抑制作用」「過剰な食欲を抑える作用」などがあるのだとか。果実の新鮮さを保つ皮の成分は、人間の健康にも役立つのですね。
文旦の皮を捨てるのがもったいないなと思ったら、ぜひレシピを検索してトライしてみてください。
 
 
 
分類 ミカン科ミカン属
樹形 中高木果樹(高さ1.5~4メートル)
英名 Citrus grandis
別名 文旦・ザボン、シャボン
収穫期 11~1月(但し、数ヶ月貯蔵し追熟させてから食べられています)
当園での植栽エリア エントランスガーデン(ここマルシェ~石原ガーデン)
関連LINK NHK出版 みんなの趣味の園芸
旬の食材百科「文旦の選び方・食べ方」
クックパッド「ボンタンのレシピ」
阿久根市観光サイト「あくねボンタンロードレース」
※植物名称は、通名・流通名で記載している場合があります。
※「花木図鑑」でご紹介する植物は、当園及び周辺地区で生育している植物です。
※花木は生き物です。記載の鑑賞期に必ずご覧頂けることを保証するものではありませんのでご了承ください。
※「花木図鑑」やガーデンの植物については、Twitterやブログの #あくね花だより でもご紹介しています。

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モデル協力:もり・りさ 中尾 聖