花木図鑑|ひみつの花園 | パンパスグラス
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花木図鑑

FLOWERS AND TREES

9月

10月

パンパスグラス

  • 花が咲く
  • 多年草
南米に広がる乾いた広大な草原地帯(パンパス)に生える多年生のススキで、その原産地名から名付けられた。切り花やドライフラワーにも重宝されるが、切り口で手を切りやすいので注意が必要。

 

<白銀葦(シロガネヨシ)と呼ばれたパンパスグラス>

パンパスグラスは、イネ科シロガネヨシ属に分類される植物です。白い穂は日本のすすきに似ていますが、パンパスグラスの方がよりフサフサした穂で、草丈が高いことが特徴です。高さは品種によって変わりますが、草丈が高いものは3m以上になるものもあります。
パンパスグラスという名前は「パンパスの草」という意味。パンパスは「パンパ(南米の草原)」の英語名です。
日本には明治時代半ばに伝来したと言われています。明治時代には、外来語の名前は浸透しにくかったためか「白銀葦(シロガネヨシ)」と呼ばれました。シロガネヨシは属名として残っています。
明治時代に入ってきた当時にはあまり普及せず、戦後になって豊かな花穂が生け花の花材として注目されるようになりました。
今ではパンパスグラスは、秋の風物詩として、日本全国の公園や観光名所にも植えられています。
 


<パンパの歴史>

パンパスグラスの名前の元になったパンパスとは、どのような土地なのでしょうか?
パンパスは英語で、南米の先住民ケチュア族の言葉では「パンパ(=木のない草原)」といいます。パンパは、アルゼンチン、ウルグアイと国をまたいで広がり、アルゼンチンの国土の約25%を占める肥沃で平坦な大草原のことです。
16世紀にスペイン人が金銀を得たり農地にする目的でやってきましたが、金銀は出ず、土地を得ようとしたものの、先住民との抗争に敗れ、パンパにスペイン人が定住することはありませんでした。このとき、パンパには牛や馬が持ち込まれました。
19世紀に先住民が討伐されるまで、パンパはパンパスグラスが一面に茂る草原だったのだそうです。パンパスグラスをはじめとする草を食べた牛や馬は自然と繁殖し、その数は急速に増加したそうです。ガウチョと呼ばれる人々は増えた牛や馬を狩猟して生計を立てていました。
そこに侵略したヨーロッパ人移民は、パンパを広大な農地、牧場として利用し、パンパは世界的な牧場地帯かつ穀倉地帯となりました。パンパで育まれた小麦や牛肉は、日本を含む世界中に輸出されています。
開発されたパンパでは、かつてのようなパンパスグラスの草原は残念ながら見ることができません。しかし、観光牧場では、今でもパンパスグラスが茂り、当時の名残を伝えてくれています。
 
 

<パンパスグラスの花言葉>

パンパスグラスは、フサフサした花穂ができる前に小さな花を咲かせます。目立たない花よりも花穂の方が主役になる植物ですが、そんなパンパスグラスにも花言葉が定められています。
パンパスグラスの花言葉は「光輝」「風格」など。どちらも、パンパスグラス全体の雄大な姿にふさわしい花言葉です。
 
分類 イネ科シロガネヨシ属
原産地 南アメリカ、ニュージーランド、ニューギニア
英名・学名 Cortaderia selloana
別名 白銀葦、シロガネヨシ、オバケススキ
花色 白・ピンク
鑑賞期 9~10月
当園での植栽エリア クヌギ林(ワーケーションエリア)周辺
関連LINK みんなの趣味の園芸 NHK出版
 
※植物名称は、通名・流通名で記載している場合があります。
※「花木図鑑」でご紹介する植物は、当園及び周辺地区で生育している植物です。
※花木は生き物です。記載の鑑賞期に必ずご覧頂けることを保証するものではありませんのでご了承ください。
※「花木図鑑」やガーデンの植物については、Twitterやブログの #あくね花だより でもご紹介しています。

パンパスグラスの育て方... by カインズ公式ch

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モデル協力:もり・りさ 中尾 聖